農作業中の熱中症に注意しましょう!
農作業中の熱中症に注意しましょう!
6月になり蒸し暑く気温の高い日が続くようになりました。例年、暑さに体が慣れていない梅雨明け直後に、農作業中の熱中症事故が多発しています。
平成29年には農作業中の熱中症による22件の死亡事故が発生しました。熱中症は、放置すれば死にいたる危険な症状です。
しかし、適切な予防をすれば熱中症は防ぐことができますし、早期に適切な処置をすることで重症化せずに済みます。
熱中症にならないために
①体調を整える
きちんと3食食べるなど、体調を整えておきましょう。まずは、無理をしないことが大事です。風邪や二日酔いなどの体調不良時は熱中症の危険が高くなります。
また、気象庁では高温注意情報等を発表していますので、当日の天気予報を確認しましょう。
②水分を補給する
作業前から(朝起きた時から)水分補給をしておき、作業中も定期的(こまめに)に水分補給をします。人間は多少の水分が失われてもあまり渇きを感じません。そこで渇きを感じる前に積極的に水分補給をすることが重要です。
水分補給には麦茶やスポーツドリンク等がミネラルも補給できて適しています。ちなみにビールは、利尿作用があるうえアルコールの分解に水分を使いますので体内水分が失われて逆効果です。
③暑さを避ける
作業安全に問題が無ければ、通気性・吸湿性の良い生地で風通しの良い作業服を着ます。直射日光のあたる場所ではつばの広い帽子をかぶります。
作業はなるべく朝夕の涼しい時間帯に行い、暑い時間帯に作業をする時は、休憩をこまめにとるようにします。
ハウスや畜舎など気温が上昇しやすい施設内での作業は、風通しを良くして熱がこもらないようにします。休憩場所は風通しが良い日陰の場所を選びましょう。
そして出来れば二人以上で作業を行い、互いに注意を払います。これは、熱中症だけでなく農作業安全の観点からも大事なことです。なお、一人で作業する際は家族に場所と終了時刻を伝えておきましょう。
具合が悪くなったら、そんな人を見かけたら
熱中症の症状としてはズキンズキンとする頭痛やめまい、吐き気、立ちくらみ、倦怠感などがあげられます。そんな時は直ちに作業をやめて涼しい日陰で休んで下さい。
特に、「全く汗をかかない、皮膚が乾燥している、触るととても熱をもっている」などの症状があったら危険信号です。周りの人に助けを求めてください。
そして、助けを求められたり、熱中症が疑われる人には直ちに以下の処置をとってください。
①涼しい場所に避難する
風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている車内、室内などに避難させます。意識がはっきりしない、自分一人で水が飲めないようであれば119番で救急車を呼びましょう。
②体を冷やす
衣服を脱がせたり、きついベルトを緩めて、体から熱が逃げるのを助け、下着の上から水をかけたりして体を冷やします。
氷や冷たいペットボトルや缶があれば、それで首の両側、脇の下、太ももの付け根、股あたりを冷やします。ここは皮膚の直下に太い血管があるので効率的に冷やすことができます。
体はできるだけ早く冷やす必要があるので救急車を呼んでいても、その到着前から冷やしてあげてください。
③水分を補給する
冷たい飲み物は体内で熱を奪ってくれ水分の補給にもなります。
ただし、自力で飲めない人には無理に飲ませてはいけません。気管に入る危険があります。飲んでも吐く場合にも同様に無理に飲ませません。
④医療機関に連絡・搬送する
自力で水を飲めない時は、点滴などで水分補給をするしかありませんので、医療機関に連れていきます。
また、水分を自分で摂れ、必要な処置を行ったものの、症状が改善しない場合も、医療機関に行きましょう。
高齢の方には特に注意を!
暑さの感じ方は人によって異なります。熱中症患者の約半数は65歳以上の方です。年齢を重ねると暑さや水分不足に対する感覚が低下し、暑さに対する身体の調整機能も低下しています。
のどの渇きを感じていなくてもこまめな水分補給をしたり、暑さを感じなくても、日陰等を利用し、こまめな休憩をとるよう心懸けましょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。