降雪に対する農業用施設の技術対策について

降雪に対する農業用施設の技術対策について

雪の季節となりました。平成26年2月の大雪後、県では施設被害の聞き取り調査を実施しました。その結果、有効であったと考えられる対策についてお知らせします。
(県農業支援課「降雪に対する農作物・農業用施設の技術対策」より抜粋)

昨年の大雪で倒壊・損壊に至らなかった施設も、歪みや損傷を受けていることが考えられますので、今一度、点検・対策を実施してください。

事前の対策

①融雪水が流入したり、湛水しないよう施設やほ場周辺に排水溝を設置する。
②予め除雪計画を立て、除雪作業に支障となるものは移動させる。

③積雪による被覆資材のたわみが雪の滑落を妨げるため、適切な展張となるよう取付金具の調整等を行う。
④被覆の外部に設置したネットや遮光資材は、雪の滑落を妨げるため撤去する。
⑤ハウスの補強資材や固定部品にゆるみがないか点検する。
⑥暖房機を点検するとともに、燃油残量を確認し必要に応じて補給する。
⑦ヒートポンプは室外機が雪に埋まると機能しなくなるため、対策を行う。
⑧除雪作業により燃料パイプなどが損傷しないようカバー等で保護する。

⑨積雪により負荷のかかる箇所に支柱や筋交い等で補強する。(下図参照)
著しい積雪が予想される場合は、緊急的な補強としてハウス内に支柱を取り付ける方法もあります。

201502-1

降雪時の対策

①降雪中、降雪後は人命最優先とし、著しい積雪で施設倒壊が危惧される場合には、施設内には立ち入らない。
②施設の破損、倒壊等が生じ、被害が軽微であった場合には、早急に修復を行い、施設内温度の確保に努め、低温による栽培作物の生育障害・枯死等の被害を防止する。
③一部損壊を受けた施設内の作物はトンネルやべたがけ等で被覆し、保温する。
④積雪により停電が発生する恐れがあるため、電源や設備の状態に注意する。

⑤加温設備のあるハウスでは、カーテンを開け、暖房機を運転してハウス内の暖気を拡散し、屋根や谷部の融雪を促進する。
⑥加温設備のないハウスでは、カーテンを開放し、地熱の放射により、融雪を促進する。
⑦雪が積もったら、速やかに雪下ろしや除雪を行う。
⑧ハウスサイドの積雪が多くなると、屋根の雪とつながり雪が落ちなくなるため、ハウスサイドの除雪を行ってから上部の雪を下ろす。
⑨積雪が偏ると、荷重バランスが崩れ倒壊の危険が増すため、ハウスの両側から均等に除雪する。
⑩除雪の際には、電気配線や燃料の配管を傷つけないよう注意する。また、火災の発生を防止するため、通電再開時には配線切れ等を再確認する。

⑪ヒートポンプは室外機が雪に埋まると機能しなくなるため、室外機周りの除雪を行う。

201502-2

201502-3

一覧へ

【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。