小麦の栽培管理
小麦の栽培管理
高品質(1等・Aランク)な小麦生産を目指して、次の基本技術を励行しましょう。
【小麦の品質評価基準】
項目 | 基準値 | 影響する主な要因と対策 |
たんぱく | 9.7~11.3% | 地力・施肥量(追肥により向上) |
灰分 | 1.6%以下 | 登熟向上で低下(麦踏・排水対策) |
容積重 | 840g/L以上 | 登熱向上で増加(麦踏・排水対策) |
フォーリングナンバー | 300以上 | 登熱後期の降雨(適期収穫) |
排水対策
- ほ場の排水不良は、出芽時には根腐れを引き起こしやすいので、多雨時には速やかにほ場外に排水されるように、明きょ(ほ場周囲とほ場内に5~10m間隔)を設置しておきます。
施肥
- タンパク含量と収量を確保するためには、適正な施肥が必要です。
- 10a当たりの窒素成分量は、基肥は7kg程度、追肥では2kg程度です。
【施肥例】
肥料名 | 10a当たり施肥量 | |
基肥 | けやき化成(14ー14ー14) | 50~60kg |
追肥 | NK化成C6号(17ー0ー17) | 10kg |
種子更新
- 採種ほ産種子を使用し、毎年種子を更新します。
種子消毒
- 種子伝染性病害(なまぐさ黒穂病、裸黒穂病、斑葉病、条斑病)を回避するために、種子消毒を行います。
- (消毒例)種子粉衣法
ベンレートTコートを乾燥種子重量の0.5%種子粉衣します。 (種子10kgの場合では薬剤は50g使用)
播種
- 播種が早すぎると、縞萎縮病が発生しやすく、また、晩播ではコムギなまぐさ黒穂病が発生しやすいので注意してください。
雑草防除
- 除草剤の効果を高めるためには、丁寧な耕うん、整地が大切です。
播種様式 | 10a当たり播種量 | 播種深度 | 播種適期 |
ドリル播き | 6~8㎏ | 2~3㎝ | 11月10日~11月25日 |
【カラスムギの防除対策】
- 夏期に1か月間、常時湛水状態にしておくと種子は大半が死滅します。
- プラウ耕で種子を深く埋めたり、また、播種の畦幅を広くして管理機による中耕除草や手取り除草を行います。
カラスムギ
【除草剤散布の例】
薬剤名 | 使用時期 | 使用量(10a) | 適用雑草 |
ラウンドアップマックスロード | 耕起前又は播種前まで(雑草生育期) | 200~500mL | 一年生雑草 多年生イネ 科雑草 |
ゴーゴーサン乳剤30 | 播種後(雑草発生前)~小麦2葉期(イネ科雑草1葉期まで) | 300~500mL | 一年生雑草 |
ガレース乳剤 | 播種後出芽前(雑草発生前) | 200~250mL | 一年生雑草 |
アクチノール乳剤 | 穂ばらみ期まで(雑草生育初期)※カラスノエンドウは、2~3葉期までに散布する | 100~200mL | 畑地一年生 広葉雑草 |
※平成24年9月1日現在の登録状況です。
農薬を使用する際には、必ずラベルを確認して適正に使用してください。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。