~家庭果樹栽培~ 木いちごを作ってみませんか

~家庭果樹栽培~ 木いちごを作ってみませんか

東松山農林振興センター

木いちご(ブラックベリーやラズベリー)は容易に栽培でき、生果はもちろん、ジャムに加工するとさらにおいしく食べられますので、家庭果樹として栽培してみてはいかがでしょうか。

フェンスに這わせたブラックベリー
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1 品種選び

ブラックベリー、ラズベリーとも、受粉樹は不要で、1本でも実が付きます。

ブラックベリーは、品種によって、つる性・半つる性、とげの有無があります。代表的な品種はソーンフリーで、とげなし・半つる性です。

ラズベリーは、どの品種も、とげあり直立です。代表的な品種はインディアンサマーで、収量はブラックベリーほどではないですが、独特のラズベリー香があります。

 

 

ブラックベリー
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ラズベリー
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2 栽培のポイント

①定植は、2~3月頃です。

特に土は選びませんが、伸びた枝を縛っておける柵があると、以降の管理が容易です。

②収穫・剪定・施肥

定植した年の4~5月には、定植時にあった枝(前年枝)に花が咲きます。前年枝とは別に5月頃、株元から新しい枝が発生し、ブラックベリーは秋までに1m程(ラズベリーはその半分程)伸びます。この枝に来年実がつきますので、切らないようにしましょう。

収穫はラズベリーが6月、ブラックベリーが7月です。

収穫が終了した8月、前年枝(実が付いた枝)を根元から切除します。これが剪定です。この枝はゆくゆく枯れますし、新しい枝を陰にしてしまうので、早めの切除が重要です。

前年枝を切除し、新しい枝だけにしたら、枝の間隔を15cm位になるように配置し、柵に縛ります。冬までに枝が伸びますので、再度縛ってください。肥料は3月頃に株あた

り高度化成を100g程度施用します。

2年目以降は、新しい枝の伸びが盛んになり、ブラックベリーは2~3m(ラズベリーはその半分程)伸びますので、枝のバランス良い配置が重要です。

枝の伸びに比例して収量も増えてきますので、毎日収獲が必要になります。

収穫したら、生食する以外は、へたを除去して洗浄・冷凍するのがいいでしょう。

写真1 ブラックベリー 剪定前の様子(8月)
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写真2 剪定では、かなりの量の枝を切除する
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写真3 剪定後8月の様子
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写真4 10月には枝が伸びてくるので再度誘引する
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③増殖

ブラックベリーは取り木で増殖できます。地面に付いた枝が発根して、株が勝手に増えていってしまうほどです。ポットで受けておくと簡単に苗がとれます。

ラズベリーは地下茎で増えていきますので、植えた場所の周辺から新しい芽が発生してきます。これを冬に掘りあげて株分けします。

ブラックベリー取り木
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④病害虫

ブラックベリー、ラズベリーは鳥はあまり食べません。コガネムシによる葉の食害と、カメムシによる果実の吸汁害が発生する可能性がありますが、実害はあまりないので、無農薬での栽培も可能です。

■ 木いちごジャム加工 ■

ブラックベリーだけでも良いですが、ラズベリーを10%ほど入れると、良い香りがして、さらにおいしくなります。

ご自宅にブルーベリーやいちご(ストロベリー)があれば、どこにもない全くオリジナルの「ベリーミックスジャム」を作ることも出来ます。

(ただし加工品を販売するには、その種類ごとに許可または届け出が必要ですので、ご注意ください)

木いちごジャム加工のポイントは5つ。

①そのまま煮ると種が多くて食感が悪いので、裏ごしして種を除去します。

②裏ごしの際は、種子の周囲のペクチンを取り込むため、よく絞ってください。

③ペクチンが多いので、レモン等を入れる必要はありません。

④すっきりした味に仕上げるため、グラニュー糖、できたら果糖を使ってください。

⑤ジャム瓶はツイスト瓶を、キャップはセーフティボタン付きを使いましょう。ラベルは光沢紙を使えば、自分で印刷しても水で滲みません。キャップをシュリンクフィルムで密栓し、4号のFG袋に入れて、ワイヤータイで閉じると完成です。

ざる等で裏ごしをする
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糖度45度になるよう糖を入れて30分ほど煮込むと完成
(この時は1㎏の果汁に対し800gのグラニュー糖で糖度45度)

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瓶詰めしてラベルを貼ると完成
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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。