トマト 完熟でおいしさアップ
トマト 完熟でおいしさアップ
園芸研究家●成松次郎
トマトのふるさとは日照量が多く、昼夜の気温差の大きい南米アンデス地方。生育適温は昼間25〜30度、夜間10〜20度です。トマトは低温に弱いので、遅霜の恐れがなくなってから植え付けます。
[品種]大玉トマトでは「ホーム桃太郎」(タキイ種苗)、「麗夏」(サカタのタネ)などがお薦めです。中玉では「フルティカ」(タキイ種苗)、ミニでは「TY千果」(タキイ種苗)、「アイコ」(サカタのタネ)などが良いでしょう。
[畑の準備]予定の畑1平方m当たり苦土石灰100gをまいて土とよく混ぜておきます。次に、120cm幅のベッドの中央に幅30cm、深さ20cm程度の溝を掘り、ここに植え付けの1週間前に基肥として1m当たり化成肥料(NPK各成分10%)200g程度と堆肥2〜3kgを施しておきます。ベッドには黒のポリフィルムでマルチをします(図1)。
[植え付け]植え付けの間隔は2条植えでは条間70〜80cm、株間50〜60cmとします。植え付け適期は、1段花房の1〜2花が咲くときで、この花が通路側に向くように植えます(図2)。開花前の「若苗」を植えると、生育が旺盛になり「木ぼけ」と呼ばれる過繁茂になりがちです。
[支柱立て]2m以上の支柱を2条植えでは合掌式に組み立てます(図3)。
[芽かきと摘果・摘心]脇芽は小さいうちに指で摘み取ります。1果房に果実が4〜5個となるよう小さな実、変形した実を除きます。収穫果房数は4〜5段として最上段の果房上の2葉を残し、摘み取ります。
[追肥]1回目は1番果がピンポン玉の頃にベッドの肩の辺りに浅い溝を切り、ここに化成肥料を片側1m当たり30g程度まき、土寄せします。
ポリマルチをした場合はマルチの両側に肥料を散布し、土を掛けておきます。
その後半月に1回を目安に2〜3回追肥します。
[病害虫防除]梅雨時の大敵は疫病で、Zボルドーなどで予防します。また、アブラムシには植え付け時の植え穴にオルトラン粒剤などの土壌施用剤を混ぜ込んでおくと予防効果があり、発生したらサンクリスタル乳剤などで防除します。
[収穫]開花から収穫までの日数は、気温で異なりますが、夏季で大玉は40日前後、ミニで30日前後です。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
イラスト:小林裕美子
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。