トマトの元肥・追肥の上手な施し方
トマトの元肥・追肥の上手な施し方
板木技術士事務所 板木利隆
トマトは野菜のうちでも最も肥料や土壌条件に敏感に反応し、特に肥料の効かせ方によって着果の良否や品質、収量が大きく支配される性質をもっています。元肥や追肥はポイントをよくわきまえて施すことが大切です。
トマトの根は地下150cmにも届くほど深く伸びる性質をもっています。この根が健全に張る環境をつくるために、元肥は畝の中央に大きめの溝を掘り、植え付けの20~30日前に、良質の堆肥を主体に、油粕などの入った有機配合肥料などを与え、畝を形づくります。元肥に窒素成分の与えすぎは禁物です。
トマトはまず確実に着果させることが大切ですから、実がつき肥大を確認するまでは追肥も見合わせます。花の勢いが弱いと花粉が少なく、着果しにくいので、開花時に振動、または着果ホルモンを散布することも必要となってきます。
着果し、1~2果が径4~5cmになったときに、初めて第1回の追肥として化成肥料と油粕などを、株元から20cmほど離れたところに、軽く溝を掘ってその中にばらまき、土をやわらげながら畝に寄せるように覆土します。
その後、15~20cmおきに2~3回ぐらい、次第に株元から離れた位置にばらまいて軽くクワで土に混ぜ込むように追肥します。
1回に与える量は、一株当たり油粕大さじ4~5杯、化成肥料3杯ぐらいとし、葉色と果実の肥大、なり具合により加減します。
梅雨に入って不良天候が続くときに追肥すると窒素の過剰吸収により茎葉が軟弱になり、果実に尻ぐされなどが発生しやすいので避けてください。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。