たくさん育て、たくさん食べよう タマネギ
たくさん育て、たくさん食べよう タマネギ
板木技術士事務所●板木利隆
切ると出る涙の原因は硫化アリル、ビタミンB1の吸収を助けて新陳代謝を活発にし、コレステロールの代謝を活発にし、血液をサラサラにして動脈硬化や高血圧、糖尿病を予防する効果もあります。近年明らかになったところによると、野菜の中では最も細菌病、大腸菌などを寄せ付けず、安全性では極めて優れていることが裏付けされています。
タマネギは病害に強く、毎年同じ畑でも作れるので、自家菜園の作付けにとっても大変有利です。貯蔵力もあり、使い道も幅広いので、たくさん育てることをお勧めします。
家庭菜園では、通常晩秋に出回る苗を買い求めて育てる場合が多いのですが、ご承知のようにタマネギは黄、白、赤の品種があり、収穫期の違う極早生、早生、中生、晩生と特徴のある数々の品種があります。
これらを上手に育て楽しむには、自分で好みの品種を選び、種子から育てる必要があります。特に直売など販売を目的とする場合は、苗代の負担も大きくなってしまいます。
種まきの適期は、極早生8月下旬~9月上旬、早生9月上旬、中生9月中旬、晩生は9月下旬です。適期まきはとても重要なことなので、地元のJAや種苗専門店、栽培農家などに聞いて決めることが大切です。特に中晩生の品種を早くまき過ぎると、越冬するまでに大きく育ち過ぎ、寒気に感じ過ぎてとう立ちするものが多く、失敗します。
苗を上手に育てるには、苗床の前作を早めに片付け、種まきの20日以上前に完熟堆肥と石灰、化成肥料をよく耕やしておきます。トマト、ナスなどの強い根が残る野菜の跡地は避けてください。
種まき前にベッドを作り、図のように丁寧にベッドの表土をならしてから約1~2cm間隔ぐらいに均一に種をまきます。そしてふるいで2~3mmほどの厚さに、満遍なく覆土し、板切れなどで軽く表土をたたいて鎮圧し、その後ジョウロでたっぷり灌水(かんすい)します。
その上に細かく砕いた完熟堆肥をごく薄く覆い、その後苗床全面を稲わらやべた掛け資材を二重に覆い、残暑や乾燥、台風や強風の被害から守ります。
種まき後5~7日で発芽し苗が伸び始めたら、これらの被覆資材は取り除き、ジョウロでたっぷり灌水して生育を促します。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。