良質な秋冬取り白ネギ作りのポイント
良質な秋冬取り白ネギ作りのポイント
春まきした白ネギ(根深ネギ)の苗は日増しに大きく育ち、盛夏に入るころには本畑へ定植します。長くよく締まった軟白部を多く作り上げるポイントは、次の4点です。
(1)苗の仕上げ
畑に条まきして育てている苗は、密な所を間引き、2~3㎝間隔でしっかり仕上げます。このころアブラムシやネギアザミウマなどの害虫や、さび病、べと病などが発生しやすいので、殺虫剤(粒剤)を株元に、殺菌剤に展着剤を加えて全体に散布し、防除に努めましょう。
(2)植え付け
苗の直径が1㎝以上に育ったら本畑に植え付けます。図のように80~90㎝間隔に、丁寧にくわ幅の溝を作ります。溝が崩れないように作るには、前作が終わって空いた畑は、表面の草、残葉などきれいに整理し、耕さないで、地面を固くしておくことです。苗を大小二つに分け、そろえてから3~4㎝間隔に、壁面に立て掛けて植え付けます。
植えた後、根元に2㎝の厚さに土を入れ、苗が倒れないように足で踏みつけておきます。その後すぐに溝いっぱいに稲わら、干し草などを入れて乾燥を防ぎます。植え付け時には肥料はまったく与えず、新根の発生を促します。
(3)追肥と土寄せ
夏の暑さが遠のき始めるとネギは生育を始め、新葉が増えます。このころ溝の肩の部分に、肥料(有機配合、化成肥料など)を施し、くわで軽く土と混ぜ合わせて、溝の中へ落とし入れます。
9月下旬ころから盛んに成長しますので、第2回、第3回と逐次追肥、土寄せを行います。全体的には追肥の重点は前半に、土寄せは後半に、長い軟白部が多くなるように仕上げます。
土寄せしてから軟白部が仕上がるまでには、中~晩秋で40日ほどかかりますので、正月を狙って収穫するには11月中旬に最後の土寄せを完成するように心掛けましょう。
(4)風水害の対策を怠らない
台風シーズンが肝心な育成ステージに当たります。台風に見舞われたら、早めに畑を見回り、植え溝内の排水を図ります。ネギの根は乾燥には強いですが過湿には大変弱いので、対策は急を要します。風による倒れは曲がりの原因になりますから、できるだけ早く起こし、姿勢を直して不良品の発生を食い止めましょう。
板木技術士事務所●板木利隆
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。