ニラ 長い期間収穫を楽しむ
ニラ 長い期間収穫を楽しむ
園芸研究家●成松次郎
春(3、4月)に種まきし、育苗して、6、7月に植え付け、翌年の春~秋に収穫します。乾燥する場所以外はどんな土地にも育ち、半日陰でも大丈夫です。
[品種] 「ミラクルグリーンベルト」(武蔵野種苗園)は鮮緑色で葉幅が広く、肉質は柔らかい品種。「タフボーイ」(八江農芸)は耐寒・耐暑性があり、刈り取り後の再生力の高い品種です。
[育苗] 1平方m当たり化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥1kgを施し、土とよく混ぜておきます。幅70cm程度の苗床を作り、条間15cm、1cm間隔にすじまきします(図1)。発芽後、密生した所を間引き、草丈25cm程度まで育てます。
[畑の準備] 植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gを全面にまいて、よく耕しておきます。植え付け溝は畝幅60~70cmとし、深さ20cm、幅15cmに掘り下げます。元肥は植え溝1m当たり化成肥料50g程度、堆肥1kgを施し、土を掛けておきます(図2)。
[植え付け] 苗は根を傷めずに掘り取り、株間20~25㎝間隔で1カ所3、4本をまとめて植え付けます(図3)。
[追肥・中耕・とう摘み] 植え付けの年は9、10月に月1回追肥をします。1回の追肥量は畝1m当たり化成肥料30g程度とし、この際に中耕を行います(図4)。2年目以降は春先と、収穫後に同量を与えます。なお、植え付けの2年目以降は夏になると、とう立ちするため早めに蕾(つぼみ)を摘み取ります。
[病害虫防除] 新芽に付きやすいアブラムシには「粘着くん液剤」「ベニカ水溶剤」などの登録農薬で防除します。
[収穫] 翌年4月から10月にかけて収穫できます。草丈35cm程度に伸びた頃、地上5cm程度の部分で刈り取り収穫をします(図5)。1年に3、4回収穫できます。
[株の更新] 3、4年は同じ畑で栽培できますが、密生し葉幅が狭くなってきたら、春に株を更新します。株を掘り取り、分割して3芽ずつまとめて植え直します(図6)。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。