根深ネギの植え付けとその後の管理の要点
根深ネギの植え付けとその後の管理の要点
板木技術士事務所●板木利隆
春3月に種まきした根深ネギ(白ネギ)の植え付けは、苗の太さが1cm内外に育った7月中~8月上旬が適期です。
大きく育った苗は、この頃にネギアザミウマやアブラムシなどの害虫やさび病、べと病などが発生しやすいので、苗床では殺虫剤や殺菌剤を散布して防除しておきます。ネギの葉は薬剤が付きにくいので、展着剤を加えることが大切です。
苗床から抜き取るには、根元にくわを打ち込み、根をたくさん付けるよう配意して行います。
抜き取った苗は、大、中、小ぐらいに分けて植え付けます。こうすると畑で土寄せ、追肥をするときに、大きさ別に区別して行うことができ好都合です。
植え付けに当たっては、まずきちんとした植え溝を作ることが大切です。列の間隔を80~90cm取り、くわ幅の30cmぐらいの深さの溝をきちんと作りましょう。
溝が崩れないよう上手に作るには、前作が終わったら前作の残さや草などを片付け、耕やさないで表面を硬くしておくことです。
大きさをそろえた苗は、階級ごとに3~4cm間隔に、壁面に立て掛けるようにして垂直に植え付けます。植えた後、根元に2cmぐらい土を掛け、苗が倒れないよう根元を足で踏み付けておきます。その後すぐに溝いっぱいに稲わら、干し草などを入れ、倒れないよう、また夏の乾燥、防暑を図ります。植え付け時には肥料はまったく与えず、もっぱら新根の発生を促します。
次は、追肥と土寄せ管理です。
夏の暑さが遠のき始めるとネギは生育を始め新葉が増えてきます。この頃溝の肩の部分に肥料(化成肥料・有機配合など)を施し、くわで軽く土と混ぜ合わせて溝の中に落とし込みます。
9月下旬ころからは盛んに生長しますので、15~20日置きに第2回、第3回と追肥、土寄せを行います。全体的には追肥の重点は前半期に、土寄せは後半にし、長い軟白部ができるようにします。
台風・強雨に見舞われたら、早めに畑を見回り、植え溝内の排水を図ります。ネギの根は乾燥には強いのですが、湿害には大変弱いので、対策は急を要します。風による倒れは曲がりの原因になりますので、できるだけ早めに起こすことが大切です。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。