コマツナ べた掛け資材で害虫を防ぐ

コマツナ べた掛け資材で害虫を防ぐ

園芸研究家●成松次郎

小松菜のベタ掛け資材のイラスト

コマツナは耐寒性があり、冬の寒さで特においしくなります。ビタミン類、カルシウム、鉄分を多く含む緑黄色野菜です。

 

品種]近年は葉が丸く、緑が濃い品種が好まれ、秋冬まきでは「はまつづき」(サカタのタネ)、「楽天」(タキイ種苗)、春夏まきでは「いなむら」(サカタのタネ)、「菜々音」(タキイ種苗)などが良いでしょう。

 

栽培期間] 一般地ではほぼ周年栽培でき、草丈20~25cmを目標に、春まき(3~5月)は30~50日、夏まき(6~8月)は20~25日、秋まき(9~11月)は30~60日で収穫します。冬まき(12~2月)は、トンネルやべた掛け資材で保温し、60~90日で収穫できます。生育が早く収穫遅れになりやすいため、1週間置きに少しずつまいて、長く収穫を楽しむのが良いでしょう。

 

畑の準備]種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gをまいて畑をよく耕し、1週間前に化成肥料(NPK各成分で10%)100gと堆肥2~3kgを施し、土とよく混ぜておきます。幅90cmの栽培床を作り、畝に直角に条間15~20cmの種まき溝を切ります。このとき、まき溝は支柱や木板を土に押し付け、溝を付けると深さが一定になります(図1)。

 

種まき]種が重ならないように1cmくらいの間隔でまき、土を軽くかぶせておきます。種まき後はべた掛け資材を使い、乾燥や強い雨を防ぐと同時に害虫の予防にも有効です。被覆は収穫の5~7日前に取り除きます(図2)。

 

間引き]初めは、本葉が見える頃に子葉の重なっている部分を間引きます。その後、葉が触れ合う程度に間引き、最後に5~6cm程度の間隔にします。間引き後は株がぐらつくのを防ぐため、株元に土寄せします(図3)。

 

病害虫の防除]生育期間が短いので、農薬の使用は生育初期に限ります。不織布のべた掛けやネット栽培によりアブラムシ、コナガなどの害虫の侵入を防ぎます。

 

収穫]草丈20~25cm程度で根を付けて抜き取り収穫をします。収穫が遅れると葉が堅くなり、食味も落ちてしまいます。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

 

イラスト:小林裕美子

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
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  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。