色つやの良いナスを取り続ける
色つやの良いナスを取り続ける
気温の高まりとともに、ナスは紫黒色の形の良い果実が連続して収穫できるようになりますが、やがて株の勢いが弱まり、実どまりが悪くなって収穫が減ってきます。また、品質も悪くなり、梅雨明けごろには早くも老衰し始めてしまいます。
その主因となるのは肥料不足や「なり疲れ」です。
ナスは相当多肥好みなので、たくさん取れ始めたら半月に1回ぐらい追肥(目安は1株当たり油かす大さじ2杯、化成肥料1杯)します。そして図のように茎葉や花の状態をよく観察し、それに応じた肥培管理をしてやることが大切です。茎が太く、葉は大きく厚みがあること、咲いた花の上には4~5枚の葉が開いていて、花は大きくて色濃く、雄しべよりも雌しべの方が長いこと ― が健全な育ち方です。栄養不良の兆候が表れたら早めに発見し、対策を講じることが大切です。
対策としては、まず果実を若取りして株の負担を軽くすることです。そして追肥で栄養を補給し、硬くなった通路付近の根が張る場所の土にくわを入れて通気を図り、乾いていたらかん水し、防乾の敷わらをしましょう。
また、茎葉が込み過ぎると日射不足のため果色が悪くなり、病害虫も発生しやすくなるので、果実に木漏れ日が当たるぐらいに枝を整理したり、摘葉したりすることも大切です。アブラムシ、スリップス、ところによってはチャノホコリダニも大敵で、防除が必要です。
7月末ごろになったら思い切って枝を詰めて更新剪定(せんてい)し、株の周りを掘って堆肥(たいひ)と化成肥料、油かすなどを施せば、一カ月後あたりから良質の秋ナスを楽しむことができます。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。