冬の間にしっかりと土づくりを
冬の間にしっかりと土づくりを
家庭菜園の多くは面積的にそう広くなく、そこに多種類の野菜を高い頻度で作づけする場合が多いので、畑の土は計画的に栽培される野菜畑に比べると相当過酷な使われ方をしていると見ていいでしょう。「地力」すなわち土地の生産力は大変消耗しやすいのです。
この地力を常に補い、増強し、野菜作りに適した性質に改良してやることが必要です。
野菜作りに適した土は(1)水はけが良く、適度の空気を含んでいること(2)水持ち(保水力)があること(3)土の酸度(pH)が適正であること(4)病原菌や害虫がいないこと(5)肥料分に富むこと、などです。(5)の施肥に頼るところは別ですが、(1)~(4)は適切な耕起(畑起こし)と良質な堆肥(たいひ)の施用によって達成できるのです。
畑起こしは冬が最適です。それは、越冬野菜やトンネル栽培物を除けば、この時期の家庭菜園は冬休みで空き地が多く、耕せる面積割合が広いからです。それに加えて、掘り起こした土を厳しい寒気にさらすことによって風化させ、病原菌や害虫、雑草などの密度を下げることができるのです。
耕す方法としては、畑全面に石灰または苦土石灰を、通常は土が7~8割がた見えなくなる程度(1平方m当たり50gぐらい)均一にまいてから、20~30cmの深さを、鍬(くわ)またはシャベルで耕します。石灰の量は、野菜の種類によって育ちの悪いものがある場合には、土のpHを調べて加減する必要があります。
耕した後は、土の表面の凹凸をそのままにして寒気や雨風にさらし、風化を促すようにしましょう。
一方、冬の間を利用して、落ち葉、枯れ草、稲わらなどを積み上げて良質な堆肥をできるだけたくさんつくるように心掛けます。そして、春になったらこれを畑全面にまき、もう一度耕し、堆肥を土に混入しておきます。
このような土づくりを心掛けていくと、土壌は次第に団粒構造となり、空気や水を適度に含み、余分な水は排水されるため、野菜の根は健全に育ち、良品多収のしっかりした基礎固めができます。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。