施肥のポイント
施肥のポイント
野菜の肥料の吸収は、育ちが進むにつれて多くなっていくので、その吸収に応じられるように、肥料を補給してやります。元肥として与えた土壌中の肥料分は、野菜の吸収により減少し、また、降雨やかん水によって流亡する分もあるので逐次補う=追肥をしなければなりません。
追肥の与え方は、(1)野菜の種類、(2)育ち具合、(3)畑の条件などを考えて決めることが大切です。茎や葉を大きく育てるだけの葉茎菜類(ホウレンソウ、小松菜、ニンジン、ネギなど)は、生育の進み具合、葉色を目安に、15~20日置きに2~3回、大きさに応じて増量しながら与えるようにします。果菜類は種類によって性質が異なり、キュウリ、ナス、インゲンなど実止まりしやすいものは、葉茎菜類に準じて、生育が進み、収量が増えればそれに応じて増量しながら数回与えます。
トマト、スイカ、カボチャなどは、果実が確実に着果し肥大するのを見届けてから追肥することが大切です。特に着果しにくい大玉トマトは、振動授粉やホルモン散布により確実に着果させ、一番果がゴルフボール大に肥大してから第1回の追肥をすることが肝心です。その後収量が増えるにつれて施肥量も増やし、全期を通じて3~4回与えます。
畑が乾いた状態のところへ追肥したのではすぐに根に吸収されないので、株の周囲にばらまき軽く土に耕し込んだり、畝の側方にくわで溝を作り肥料をまき、すぐに土を戻し、肥料を埋め込みます。肥料は根が伸出している先の方、溝を掘ったとき根が少し現れる辺りに与えるのが最良です。乾燥続きのときは施肥後にかん水したり、液肥としてかん水代わりに与えるのも良法です。
フィルムマルチをしている場合は、フィルムをめくるか、所々に穴を開けて与えます。雨による流亡が少ないので、施肥量は2~3割減らしても差し支えありません。
追肥に用いる肥料の種類は速効性で扱いやすい化成肥料、肥当たりが少ない油かす(あらかじめ完熟堆肥と混ぜて発酵させておけば最良)、有機配合などがお薦めです。
1回の量は、葉茎菜類は畝の広さ1平方m当たりに化成肥料と油かす各大さじ3~5杯、果菜類は1株当たり各大さじ1~2杯を目安とします。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。