エンドウ マメ科の連作に注意

エンドウ マメ科の連作に注意

園芸研究家●成松次郎

2020年09月_家庭菜園_イラスト

エンドウには若いさやを食べるサヤエンドウ、実が大きくなり、みずみずしいさやのスナップエンドウ、そして若く充実した豆を取る実取りエンドウがあり、それぞれ目的に応じた品種を使います。

 

[品種]サヤエンドウでは、「ニムラ白花きぬさや」(みかど協和)、「砂糖エンドウ白星」(松永種苗)など、スナップエンドウでは、「ニムラサラダスナップ」(みかど協和)、「スナック753」(サカタのタネ)などがあります。

 

[畑の準備]マメ科野菜は、同一の畑で連作すると生育障害が出やすく、4~5年はマメ科を入れていない畑を選びましょう。種まき2週間前に畑1平方m当たり苦土石灰100gを全面に施し、土とよく混ぜておきます。次に、1週間前に畝幅120cmを取り、深さ20cmの溝を掘り、この溝1m当たり化成肥料(NPK各成分で10%)100gと堆肥1㎏を入れ、土とよく混ぜて幅40~50cmの畝を作ります(図1・2)。

 

[種まき]一般地では10月中旬~11月上旬が適期で、早まきして年内に生育が進み過ぎないことが大切です。じかまきでは、株間30cm程度、1カ所4~5粒をまきます(図3)。発芽の頃に鳥害を受けやすいため、不織布をべた掛けして保護します。発芽がそろったら2本を残し、他は間引きます。なお、小さなポットで育苗して、本葉2枚の頃、畑に植え付けることもできます。

 

[追肥]春先に生育の勢いが良くなり始めた頃と開花始め頃にそれぞれ化成肥料を畝1m当たり10g程度、スナップエンドウ、実取りエンドウではさらにさやの肥大期にも同様に追肥します。追肥後は株元に土寄せをしておきます。

 

[支柱立て]早春から生育が盛んになり、つるあり種ではつるを絡ませるため支柱を立てネットを張ります(図4)。

 

[病害虫の防除]さやができる頃からハモグリバエが多発しますので、マラソン乳剤などを使用基準に従って防除します。うどんこ病には、カリグリーンなどの農薬で予防します。

 

[収穫]サヤエンドウは、子実の肥大が始まる頃で、開花後15日前後、スナップエンドウはさやが鮮緑色で豆が肥大して断面が円形となる開花後25日前後です。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

イラスト:小林裕美子

一覧へ

【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。