晩秋から春まで取れ、楽に栽培できるナバナ
晩秋から春まで取れ、楽に栽培できるナバナ
陽春のころにぎやかに咲き乱れる菜の花よりもひと足早く、大きく膨らんだつぼみを持つナバナが店頭に並びます。花蕾(からい)と若い茎葉を共に食べる野菜です。
近年は早生、晩生、多分枝性、耐病性(根こぶ病など)の品種改良が進み、晩秋から春先にかけて、長い間独特の苦味と軟らかな食感を味わえるようになりました。
土壌への適応性は広く、重粘土から砂質土まで栽培でき、育て方はやさしいのですが、冬中収穫するのですから、できるだけ日当たりの良い場所を選んでください。
種まきの適期は8月下旬~9月下旬までと幅広いですが、早まきは早生種を用いて晩秋からの収穫を狙い、9月に入ってからの種まきは耐寒性が強く、分枝力の優れた品種を用いて、長期にわたる良質品の収穫を楽しむようにしましょう。
畑は早めに苦土石灰を全面にまき、よく耕やしておき、植え付け前に元肥として完熟堆肥と油かす、化成肥料を全面に施し、15cmほどの深さによく耕し込んでおきます。
種まきは図のように128穴のセルトレイに、1穴当たり3~4粒まきとし、育つにつれて間引き1本立てとし、本葉4~5枚の苗に仕上げて畑に植え出します。苗作りが面倒なら畑にくわ幅のまき溝を作り、3~4cm間隔にじかまきして育ててもよいです。いずれにしても条間40~50cm、株間25~30cmぐらいの粗植とし、分枝を多く出させるよう心掛けます。
追肥は草丈が20cmほどに伸びたころから収穫期にかけて、生育の様子を見ながら15~20日ごとに行い、次々と良い脇芽が伸び大きな花蕾が収穫できるよう心掛けます。
収穫は花蕾が大きく膨らみ、開花直前になったころに行います。全体の長さは10~12cmほどが最適です。短く切り過ぎると後から発生する花蕾数は多くなりますが、細くなりやすく、逆に長く切り過ぎると後から出てくる側花蕾数が少なくなり収穫量は減ってしまいます。
生育中にアブラムシやコナガなど害虫が発生しやすいので、早めに薬剤散布して防ぎます。育苗中や生育前期の草丈が低い場合には防虫ネットやべた掛け資材の被覆も有効です。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。