サツマイモの収穫・貯蔵の心得
サツマイモの収穫・貯蔵の心得
夏から秋にかけて盛んに育ってきたサツマイモは、晩秋に入ると収穫の時期を迎えます。芋(塊根)の肥大経過をたどってみると、通常8~9月に半数以上の芋が50g以上ぐらいになり、その後急生長し、10月中旬~11月に入ると肥大が緩やかになりますが、霜が降りるころまで太り続けます。
自家菜園では必要に応じて探り掘り(株元に手を差し込み、適当に太った芋だけを掘り取る)あるいは早掘り(株全部を掘り取る)して、早くから秋の味覚を楽しむようにしましょう。
本格的な収穫の適期は初霜が降り始めるころです。初霜の予想は難しいのですが、たちまち若い葉が枯れ始めるので、見分けやすいです。こうなったらすぐに掘り上げれば大丈夫です。できるだけ畑が乾いているときを選ぶようにしましょう。
収穫の手順は、まずつるの地際部分(地上4~5cm残し)を鎌で刈り取り、つるを畑の外に選び出し畝(うね)を丸裸にし、マルチフィルムを剥がしてから、芋を傷つけないように注意して株元に大きくくわを打ち込み、芋を掘り出します。
このとき注意すべきことは、つるは強大で絡み合っているので、畑にあるうちに50~60cmほどの長さにくわで切り分けて、運搬しやすくしておくことと、貯蔵予定の芋はつるから外さないよう、容器に入れて丁寧に持ち運ぶようにすることです。
サツマイモは掘り上げてすぐよりも4~5日乾かして食べるのがおいしいので、収穫の日時や取り扱いにもいろいろ配慮してみてください。
貯蔵方法は、多量の場合には水はけの良い畑を選び、図のように深さ70~80cmの穴を掘り、稲わらを敷き、つるに付いたままの芋を傷つけないよう丁寧に重ね入れ、上にも稲わら、もみ殻を覆います。適温は13度、湿度は90%が目安です。また、初期には呼吸熱が発生しやすいので、筒状の通気筒を差し込んでおくとよいでしょう。これは後に取り外しますが、条件測定のため温度計を取り付けておくとよいでしょう。穴の上には土を盛り上げ、稲わらを覆い雨水が浸入しないよう留意します。
少量の貯蔵なら、芋を新聞紙にくるんで保温性の高い発泡スチロールの箱に入れ、室内に置くだけで十分です。この場合も通気を図るため箱に小穴を空けておきます。
板木技術士事務所●板木利隆
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。