べたがけ資材で害虫と強光を防ぐ
べたがけ資材で害虫と強光を防ぐ
これから多くなる害虫の飛来や、強光による生育障害を防ぐために、頼もしい助っ人としてお勧めしたいのが「べたがけ資材」です。これは服や下着の素材として広く知られる不織布(材料はポリエステル、ポリプロピレンなど)の一種。微細な紡糸を絡み合わせた長繊維不織布の、商品名パオパオ、パステイトなどと、もう一つ、フィルムを細かく割いた割繊維不織布の商品名タフベル、日石ワリフなどが、市販されています。いずれもごく細かい繊維でできており、薄っぺらで、1m2当たり15~20gと軽く、野菜の葉の上に直接被せても生育に支障ないことから「べたがけ栽培」することができます。
資材の説明が長くなりましたが、これをかけておくと強光から野菜を守り、飛来してくる害虫を寄せ付けないという、大きな効果が得られるのです。雨風は通すため、野菜が育つゆとりをもたせて裾を隙間なくおさえ、風に飛ばされないようにしておくだけでよく、省力的です。
これからまく葉菜類、とくに虫のつきやすいハクサイやカブ、ダイコンなどアブラナ科の野菜には効果抜群です。ハクサイでは苗床はもちろん、畑に植えてからもトンネル状に、葉の頂部に届くくらいまで覆っておくとよいでしょう。かん水や病害防除のための薬剤かけは、覆った上から行っても十分内部にまで届きますから楽にできます。
この資材は縦横の引っ張りにも強く、何回でも使えます。エダマメやスイートコーンの種まき後に畑を覆って鳥害を防止するなど、工夫すればいろいろと使い道は広く、経済効果も十分に期待できるといってよいでしょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。