取れ立ての新鮮な味が格別なサヤエンドウ
取れ立ての新鮮な味が格別なサヤエンドウ
板木技術士事務所●板木利隆
栽培管理が楽で、失敗も少ないサヤエンドウ。店頭売りでは得られない新鮮さが魅力で、家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。
カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。育て方のポイントを列挙します。
(1)連作畑を避ける。
(2)まきどきを誤らない。
(3)冬に株が風で振り回されないよう仮支柱、風よけを設ける。
(4)伸びだしたつるがよく絡むよう、しっかりした支柱を立てることなどです。
サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はサヤエンドウを作ったことのない畑を選びましょう。
種まきの適期は関東南部以西の平たん地では10月20日前後ですが、これより寒い地域では少し遅く月末ぐらい、暖かい地域では少し早くまくぐらいに差をつけましょう。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うため寒害を受けやすくなります。地域の慣行をよく調べてください。
サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折れにし、下方を土に埋め、簡単な風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。
越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので、早めに支柱を立て、これに絡ませるようつるを誘引してやりましょう。支柱材としては、細枝のたくさん付いたササや、子枝の付いた木の枝などが最良ですが、入手できない場合は、木杭に横竹を渡し、所々に稲わらを小束にしてつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm)を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。
肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作るぐらいで足りるでしょう。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。