生育期間が短く、形もよくそろう 小カブ
生育期間が短く、形もよくそろう 小カブ
カブは縄文時代の後期に渡来したとされる古い野菜で、長い歴史の中で全国各地に根付き、好みや用途に合わせて、多くの地方品種が生まれてきました。中でも小カブ(金町系)は品種改良が進んでおり、生育期間が短かく、形もよくそろうので、家庭菜園にはお薦めです。
丸く膨らんだ球(胚軸)の方は大部分が水分ですが、ビタミンCやカリウムが比較的多く、ジアスターゼが含まれているので、胃もたれや胸やけなどにも有効。根よりも栄養価が高いのが葉の部分で、カロテンの他、ビタミン類やカルシウムなどにも富むので、有効に使いましょう。
月は、初旬に立春が訪れるとはいえ、平年なら1月下旬からの寒気の厳しい時期です。最低気温もこの頃に現れ、霜も降りるので、種まきできる時期ではありませんが、プラスチックフィルムをトンネル状に覆い、密閉すれば、多くの地域(関東南部以西の平たんな温暖地、北関東以北の寒・高冷地では3~4旬遅れ)で、春一番の小カブの種まきができます。
育て方は、できるだけ早めに図のように1.2m幅のベッドを作り、全面に良質の完熟堆肥、油かす、化成肥料をばらまき、15cmほどの深さに耕し込んでおきます。そしてくわ幅よりやや広めにまき溝を3列作り、溝底を平らにならします。畑が乾いていたら、溝の外にはみ出さないよう、はす口を付けたじょうろで十分灌水(かんすい)しておきます。種まき後すぐにフィルムを密閉するので、当分水分を保つようたっぷり湿らせておくことが肝要。
種まきは、種子が小さいので、厚まきにならないよう注意し、1.5~2cm間隔の薄まきとし、1cm厚ぐらいに覆土、くわの背で軽く填圧(てんあつ)し、全面に灌水してからフィルムをトンネル状に覆い、裾には十分土を掛けて密閉し、地温上昇を図り、発芽と初期生育を促します。
発芽して本葉1~2枚に育ったならトンネル頂部に小穴を開けて換気状態にし、さらに内部が30度を超えるようになったら裾を開けて換気し、温度の上がり過ぎを防ぎます。
育つにつれて、株間が込み合わないよう逐次間引き、灌水も行って乾き過ぎないよう管理します。生育中は2回ほど、列の間に化成肥料を施し、軽く土に耕し込みます。
間引いたものは小さくても有効に利用しながら、最終株間を7~8cmぐらいにします。十分暖かくなったらトンネルを取り外し、外気に慣らし、球茎が5cm内外ほどに肥大したものから順次収穫し利用します。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。