育てやすくて新鮮な味が格別 インゲンマメ
育てやすくて新鮮な味が格別 インゲンマメ
よく充実した大きな種子は、簡単に種まきでき、発芽も良く、元気よく伸びるので、誰でも失敗がなく、トウモロコシやエンドウのように鳥害の心配もしなくてよいので、育てやすい野菜です。
インゲンの名は、隠元禅師が中国から伝えたところから、関西方面では三度豆とも呼ばれるのは、一作の栽培期間が短く、年に3回も作付けできることに由来します。
家庭菜園に取り入れる魅力は、取れたての高鮮度の味が大変良く、市販品では得られなかったおいしさが発見できることです。カロテン、ビタミンCが多く、緑黄色野菜に位置付けられ、カリウム、ビタミンB群やカルシウムも含まれていますので、夏の栄養源として、また若莢(わかさや)にはアスパラギン酸やリジンが含まれているので、疲労回復や美肌効果も期待できます。
つる性種と矮性種(わいせいしゅ=つるなし)があり、つる性種は茎が2~3mにも伸び、アサガオと同じく左巻きで支柱によく絡み付きます。矮性種は草丈が50cm程度で節間も短く、簡単な支柱(場合によっては不要)でよく、プランターでも栽培できます。
生育適温は15~25度、10度以下や30度以上では生育が極めて悪くなります。つる性種は春、矮性種は春から夏にかけて栽培します。低温には弱いので、種まきは5月上旬以降にし(関東南部以西の温暖地の場合)、それより早まきするには3号ポリ鉢に3粒まきとしてビニールトンネル被覆で保温育苗する必要があります。
土壌の適応性は広く、どんな土質でも良く育ちますが、連作を避け、過湿や乾燥に弱いので、排水の良い畝作りや、夏の防乾、灌水(かんすい)に留意しましょう。また、ウイルスが発生しやすいので、アブラムシの防除を、特に生育初期の発見に心掛けて行いましょう。
良質の若莢をたくさん収穫するには、初期の生育を順調に進め、肥効を切らさないで次々と開花、結実させることが大切です。そのためには元肥に良質の堆肥と有機質肥料を若干与え、開花期に入ったら遅れずに化成肥料と油かすを追肥しましょう。
収穫は種まき後50日前後から。矮性種は20~25日、つる性種は約2カ月続きます。丸莢の矮性種は莢の幅が7~8cm、つる性種は8~9cmぐらいを目安として、取り残しのないように毎日行い、取れたての新鮮な味を、十分に楽しみましょう。つる性種の方がよりおいしいです。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。