トンネル保温で早取りコカブを
トンネル保温で早取りコカブを
2月初旬には立春が訪れるとはいえ、平年なら1月下旬からの一番寒気の厳しい時期で、最低気温もこのころあらわれます。そのため畑の地温は低く、霜も厳しいので露地畑ではとても種まきできる時期ではありませんが、プラスチックフィルムをトンネル状に覆い、密閉すれば多くの地域(関東以西の平たん温暖地など。北関東以北の寒・高冷地では2~3旬遅れ)では一足早い春の訪れ、春取りコカブの種のまきどきです。ほかの野菜に先駆けて、4月ごろには、きれいな白肌で歯触りの良いおいしいカブが、浅漬け、酢漬け、みそ汁の実などで食膳(しょくぜん)をにぎわせてくれます。
品種は低温下でも早肥(ぶと)りする「みぶね」「福小町」、耐病性のある「耐病ひかり」、肩部に紅色が現れ彩りの良い「あやめ雪」、定番の「金町小かぶ」などがあります。
育て方は、まず図のように、畑に1.2m幅のベッドを作り全面に完熟堆肥と油かす、化成肥料をばらまき、15cmほどの深さによく耕し込みます。
そして、くわ幅よりやや広め(16~17cm)にまき溝を3列、溝底が平らになるよう丁寧に作り、溝の外にはみ出さないようジョウロでかん水します。種まき後すぐにフィルムで覆ってしまうので、ここで水を十分与えておくことが肝要です。
種まきは、種子が小さいので厚まきにならないよう注意して1.5~2cm間隔ぐらいの薄まきとし、1cmほどの厚さに覆土してからトンネルを覆います。すそには十分土を掛け、密閉して地温上昇を図り発芽と初期生育を促します。
発芽して本葉1~2枚に育ったなら頂部に小穴を開けて換気し、さらに内部が30度を超えるようになったらすそを開けて換気し温度の上昇を防ぎます。
育つにつれて株間が込み合わないよう適宜間引き、かん水も時折り行って乾き過ぎに注意します。
間引いたものは小さくても利用するようにし、最終株間は7~8cmぐらいにします。
間引きした後、生育中2回ほど列の間に化成肥料をまき追肥します。
暖かくなったらトンネルを取り除いて外気にならし、球径が5cm内外になったら、肥大したものから順次収穫しましょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。