耐寒性が強く冬に重宝する小松菜
耐寒性が強く冬に重宝する小松菜
在来のカブから分化した古いツケナ(アブラナ属の菜類のグループ名)の一つです。その名は江戸時代に、現在の東京・江戸川区の小松川周辺の特産だったことから生まれたと伝えられています。
市場に多く出回っているのは葉身が円形、肉厚で緑の濃い、いわゆる丸葉系の品種ですが、在来に近いはかまのついたものや、クキタチナ、大崎菜、武州寒菜、女池菜など、類似の在来品種もあるので、地域によってはこれらを育ててみるのもよいでしょう。これからまくのにおすすめの品種は「なかまち」「きよすみ」「楽天」「おそめ」などです。
冬の青物の少ない時期に取るには、10月に入ってから種まきしても大丈夫。関東南部以西の温暖地なら50~60日あれば収穫できるので、正月用には10月下旬でも十分間に合うでしょう。寒い地域では種まきしたらすぐにトンネルを掛けて保温すれば間に合います。
厳寒期に良品を得るには、保水性、通気性の良い、豊かな土壌が適しています。植えつける畑は前作を早めに片づけ、石灰をまいてよく耕しておきます。種をまく前の元肥には完熟堆肥(たいひ)、油かす、化成肥料などを施し、早めに準備しておきましょう。
種まきは通常、図のようにくわ幅のまき溝を作ってばらまきにしますが、狭い畑を有効に利用するには、ベッドを設けて横方向に条まきにします。
発芽したら遅れずに込み合っているところを間引きし、溝の側方に肥料をまき、くわで軽く中耕して肥料を土に耕し込んでおきます。
秋のうちはコナガやアブラムシ、アオムシなどの被害を受けやすいので、べた掛け資材やネット類などの防虫資材で被覆したり、早期に発見し薬剤散布して防除しましょう。
プランター栽培も容易にできます。その場合、長形容器に2列まきにします。何分にも少量なので、収穫は1度で終わってしまい楽しみが少なくなりがちですから、収穫は株ごと引き抜かないで、外側の葉から1葉ずつかき取って収穫し、次々と出てくる葉を少量で足りる汁の実やトッピングにと、長く利用するのも一興でしょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。