果菜類のトンネル栽培のポイント
果菜類のトンネル栽培のポイント
早取りを狙うトンネル栽培の植えどきは、桜の花が散り、日増しに陽光が強くなりだした4月上旬ごろ(関東南部以西の平たん地)です。果菜類の中でもカボチャ、トマトは比較的低温に強いのが特徴です。続いてキュウリ、次にナス、ピーマン、一番弱いのはスイカ、メロンとなります。植えつけはこの順で、2週間ほどの差をつけるようにします。
植えつけが近づいたら、早めに元肥を施し、高めに形よく畝を作ります。数日前にはたっぷりかん水し、植え穴を掘ってトンネルをフィルムで覆い、すそに土を掛けて密閉して、十分に地温を高めておきましょう。
適期が来たら、晴天日を見計らって苗を植えつけ、株の周りにかん水します。そして、直ちにフィルムで覆い、すそに土を掛けて密閉保温しましょう。トンネル内の気温が30度以上になるようなら、所々少しだけトンネルのすそのフィルムを開けます。夜間はすそを閉じて保温します。
肝心なのは晴天の日中の換気です。およその目標として30~32度以上にならないよう、所々すそを上げて通気しますが、風でフィルムがずり落ちたり、大きく開き過ぎたりしないよう、注意が必要です。
この約1カ月間の管理の良しあしで、トンネル栽培の成否が決まります。目が行き届かないようなら、図のように頂部を開口させる方が安全です。すそからの冷たい風が入らないので、順調な生育が期待できます。降霜の恐れがあるときには、夜間だけもう1枚、フィルムかこもなどの保温材を掛けて保護しましょう。
換気をすると乾くので、土の湿り具合を見て、時々かん水します。5月上・中旬になり、茎葉がトンネル内いっぱいに伸びてきたら、徐々にフィルムを大きく開けます。やがて日中は全開放にし、夜だけ掛けるようにします。そして、次第に夜も開放しながら徐々に外気に慣らし、暖かくなったらフィルムを外して露地と同じような栽培管理に移していきます。
トマトやナス、ピーマン、キュウリは支柱を立て誘引し、カボチャ、メロン、スイカはつるを外に向けてはわせますが、このときできるだけ葉が裏返しにならないようにして、丁寧に扱ってください。
誘引したら、すぐに一回目の追肥をして、盛んな生育に応えましょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。