夏野菜の生育を守るべた掛け資材
夏野菜の生育を守るべた掛け資材
新鮮な軟弱野菜が出回りにくくなる夏こそ、家庭菜園で手作りしたいものです。しかし強光と高温、それにアブラムシ、コナガなど厄介な害虫にやられやすく、上手に育てることは大変難しいものです。
これらの害から野菜を守るには、軽くて使いやすい「べた掛け資材」がおすすめです。
この資材は、正式には「長繊維不織布」、「割繊維不織布」と呼ばれ、プラスチックを毛髪よりも細かい繊維にして、熱で融着し、絡ませています。極薄のため一平方m当たりの重さは15~20gしかなく、透けて見える軽い資材です。
そのため、軟弱な作物の上に直接掛けても、何ら支障なく育ちます。網目は不規則ですが、小さいため虫を通さない優れものです。直接掛けて使うので「べた掛け」という名で呼ばれています。
光線透過率は75~90%(製品によって異なる)なので、強光を和らげ、覆いの下はやや温度が下がります。また、掛け通しにしておいても軟弱に育ち過ぎる心配もないという特色があります。価格が比較的安く、耐久性があるため、冬の防寒用に使えるのも魅力です。
今からまくものとしては、小松菜、ホウレンソウ、チンゲンサイ、水菜などがあります。
図のようにべた掛け、浮き掛けなどの被覆方法があるので、野菜の性状や畝の作り方などを考えて、合理的な方法を取り入れましょう。そして周辺から虫が入らないよう、すき間なくきっちりと覆い、風で飛ばされないように針金や市販の専用留め具で固定しておくことが大切です。
豆やトウモロコシなどの鳥害回避に、種まき後から発芽がそろうまでべた掛けするのも有効です。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。