キュウリ 追肥・水やりで長期収穫

キュウリ 追肥・水やりで長期収穫

園芸研究家●成松次郎

 

キュウリは食感と新鮮さが本命。家庭菜園なら実が少し小さくても大きくなっても楽しめます。生育適温は日中22~28度、夜間17、18度です。根は浅く張るため乾燥に弱いので、水持ちが良く、有機物の多い畑が適します。

 

[品種]
「VR夏すずみ」(タキイ種苗)はうどんこ病やべと病耐病性で、ウイルス病にも強い品種。「よしなり」(サカタのタネ)は、暑さ寒さに強く安定して長期間収穫でき、うどんこ病やべと病に強いです。

 

[苗作り]
植え付け時期から逆算しておよそ30日前に、加温された9cmポリポットに3粒ずつ種まきします(図1)。発芽したら30度以上にならないように換気し、本葉1本の頃に間引いて1本立ちにし、本葉4、5枚まで育苗します。加温育苗しないときは、5月上旬から中旬ごろが種まき時期です。購入苗はつる割れ病に強い接ぎ木苗を選びましょう。

 

[畑の準備]
植え付け2週間前までに1平方m当たり苦土石灰200gをまき、土と混ぜておきます。次に、1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)200g、堆肥2、3kgを予定した畝幅に散布し、よく耕しておきます(図2)。土壌水分が適度のときにマルチを張り、地温を上げておきます。

 

[植え付け]
中間地では遅霜の心配がない5月上旬から中旬、トンネル栽培の場合は4月中旬から下旬ごろが植え付け時期です。栽植方法は、2条植えでは畝幅120cm程度、条間80~90cm、株間60~70cmにします(図3)。

 

[誘引・摘心]
植え付け時は仮支柱を立て、ひもで緩く縛ります。次に、つるが伸びだす前に支柱を用意し、合掌式に支柱を組みます。そして、支柱にキュウリネットを張り、つるをネットに誘引します(図4)。親づる(主枝)の下から5、6葉までの子づると雌花は、全て早めに摘み取ります。その後の子づる、孫づるは2葉を残して摘心し、親づるは支柱の高さで摘心します(図5)。

 

[摘葉・摘果]
黄化した下葉や病気の葉は随時摘葉し、曲がり果などの変形果は小さいうちに摘果して、株の負担を軽くします。

 

[追肥・水やり]
肥切れさせないように、収穫終了前まで2週間ごとに追肥を続けます。1回目は果実が取れる頃に株の周りに施し、軽く土と混合します。2回目以降は1平方m当たり化成肥料30g程度を畝の肩に浅く溝を作って施し、薄く土をかけます。キュウリは特に水分が必要で、畑が乾いていたら必ず水やりをします。

 

[病害虫防除]
べと病やうどんこ病は、登録農薬で防除します。アブラムシは、粘着くん液剤などを散布します。

 

[収穫]
長さ21、22cm、重さ100~120gくらいが収穫適期ですが、小さくてもモロキュウとして楽しめます。最盛期は朝夕2回の収穫を心がけ、また草勢が弱ったときには若取りして株の負担を減らし回復を早めましょう。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

 


イラスト:小林裕美子

 

訂正
※「のうきょうだより3月号」家庭菜園「小玉スイカ」に誤りがありました。 訂正してお詫びいたします。
P14本文1段目24行目[畑の準備]4~5行目 この溝1平方m → この溝1m

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。