遅まきもできるキュウリの地這い栽培

遅まきもできるキュウリの地這い栽培

板木技術士事務所 板木利隆
 今どきのキュウリはほとんどが苗づくりして支柱を立てて栽培しますが、キュウリにはもう1つ、畑に直まきし、支柱を立てることなく、つるを地面に這わせ、いわゆる地這いづくりにする方法があります。腰を曲げて収穫しなければならず、曲がり果が出やすいなどで、経済栽培では姿を消してしまいましたが、栽培は簡易で、葉が地面を這うため夏の暑さにはよく耐えて育つので、7月中旬ごろまで種まきをすることができます。家庭菜園で夏どりするのにはとり入れてみたい栽培法です。
 品種は青長地這い、霜不知(しもしらず)地這いなどを用い、畦間2m、株間50cmぐらいに、3~4粒ずつ点まきにし、育つにつれて1本立ちにします。
 元肥は1株当たり完熟堆肥4~5握りと有機配合肥料大さじ3杯ぐらいを、数の直下を少し避けた位置に与えて、15cmほど土を覆っておきます。直下ですと株元が乾きすぎたり、モグラにいたずらされたりしやすいためです。
 主つるが伸びてきたら図のように摘心し、勢いのよい子つるを3~4本、四方に伸ばすようにし、雌花のつきやすい子つる、孫つるの育ちを促すとともに、つる同士の込み合いを防ぎます。
ただし、6月下旬以降の種まきでは、摘心はしないで早くつるを伸ばしたほうが、高温下で少収になるのを少しでも防ぐことになります。
200303.gif つるが20~30cmに伸び出したころ、株の周りに、また、50~60cmに伸びたころには、つるの先端付近に、一株当たり化成肥料大さじ2~3杯ぐらいをばらまいて、軽く土に混ぜ込みます。
乾燥と果実への土の跳ね上がりを防ぐため、育つにつれてつる先に敷きわら(または干し草)を施してやることも大切です。
果実が葉下になって目立ちにくいので、収穫は取り残しのないように特に注意してください。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。