よいナスを多収する管理のコツ

よいナスを多収する管理のコツ

200301.gif板木技術士事務所 板木利隆
 6月に入るとナスは生育盛り。色つや、形のよい果実が盛んに収穫できますが、やがて株の勢いが弱まり、実どまりが悪く、収穫が減り、果実の品質も悪くなって、梅雨明けごろには早くも老衰してしまう例が多く見られます。
 その原因としては、肥料不足、なりづかれ、病害虫などが考えられますが、特に害虫の発生が主因とみてよいでしょう。
 ナスは相当多肥好みなので、果実が盛んに採れ始めたら半月に1回ぐらい追肥(目安は1株当たり油粕大さじ2杯・化成肥料1杯、有機配合なら3杯くらい)を、1回目は株の周りに、2回目以降は畝に沿って溝状に施します。そして花つきや花色、花の落ち具合(通常3~4割は落ちてしまう)をよく観察し、花が小さくて色が淡く、めしべが短いものが増えてきたら、疲れた証拠なので、果実は小さいうちに収穫して負担を軽くし、肥料を施す間隔を短くして、早く勢いを回復させます。この管理に、ナスはすぐ敏感に反応してくれます。
 また、茎葉が込みすぎると果色が悪くなり、落葉したり病害虫が発生しやすくなったりします。果実に木漏れ日が当たるぐらいに、枝をすかせたり、葉をもぎ取ったりすることも大切です。
 害虫はまずアブラムシが先端や下葉の裏につき、オオニジュウヤホシテントウムシは葉を大きく食害し、乾燥期に入るとアカダニなどが出て落葉させます。いずれも早いうちに発見し、取り除くか薬剤散布して防ぎます。
 真夏に入り疲れがひどくなったら更新せん定し、株の周りに堆肥・肥料を施して秋ナス採りを狙うことをおすすめします。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

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  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。