スイートコーンの栽培
スイートコーンの栽培
東松山農林振興センター
は種時期をずらして早出しをねらいましょう。
1 栽培暦・作型
(1)トンネル早熟栽培
ビニールやポリエチレンのフィルムを使ってトンネルを張り、その中に苗を定植する。
または、種を直まきします。6月中旬からの早出しが可能になりますが、この作型は晩霜害を受けやすいので注意しましょう。
トンネルの除去は晩霜の心配がなくなってから行います。
(2)露地マルチ栽培
4月頃からトンネルなしで定植・直まきができます。不織布をべたがけして、保温すると良いでしょう。
栽培時期が遅くなると虫害が多くなります。畑を観察して防除を行ってください。
栽培暦
2 品 種
各種苗会社から多くの品種が販売されています。
種の袋の裏を見て、は種期別に適応品種を選びましょう。
品種は「味来シリーズ」、「ゴールドラッシュシリーズ」、「恵味シリーズ」等があります。
3 畑の準備
(1)ほ場選定
スイートコーンはデントコーンの花粉がかかると食味が低下します。
また、ホワイト品種は、イエロー系やバイカラー系の近くに作ると黄粒が混じります。
周囲の状況を確認し、栽培時期をずらすか距離を離して作りましょう。
(2)基肥施用
基肥は、定植・は種の10日前までに施用します(表1.施肥例)。
また、スイートコーンは吸肥力が強いため、肥料切れに注意しましょう。
表1 施肥例
(3)畝作りとマルチ
耕うん・整地後、ベット幅80cm(高さ10cm)、通路75cmの畝を作ります。
有孔マルチ(9230、9235)の2条千鳥を使用します。
マルチは雨を待つか十分にかん水してから張りましょう。
また、は種または定植の4~5日前までにマルチを張り、地温を高めておきましょう。
4 育苗・は種
(1)移植栽培 育苗と定植
育苗は、ハウスで行います。電熱温床を利用し、地温を27~28℃に設定します。
発芽が揃ったら、徐々に地温を20~21℃に下げ、苗の徒長を防ぎます。
定植は本葉2~2.5枚の苗を使用します。
は種後2~3週間後が目安になります。定植が遅れないようにしましょう。
10aあたり3500本定植する場合は、128穴トレイで30~32枚程度を用意します。
(2)直播き栽培
欠株が生じないよう、1穴当り2~3粒ずつ、は種します。
深さは2cm程度とし、本葉2~3枚になったら間引きを行います。
手で引き抜くと残す株の根を傷めやすいので、ハサミや鎌で地際から切り取ります。
5 管理作業のポイント
(1)換気(トンネル栽培のみ)
2葉期以降は積極的に換気を行います。高温にあうと、スイートコーンの先端部分に不稔が多くなり、短小化しやすくなってしまいます。
また、分げつの発生が抑えられて、低収や低品質の原因になることがあります。
品種によって管理の温度は異なります。味来は35℃、ゴールドラッシュや恵味は30℃を超えないように管理します。
こまめに管理ができない場合は、穴なしのトンネルよりは生育は遅れますが、穴あきの資材でトンネルを張りましょう。
トンネルの除去は、晩霜害の心配がなくなる5月上旬に行います。
(2)分けつは残す
株元から出るわき芽(分けつ)は、葉面積の確保や、根を多くして倒伏を防ぐ効果、受粉を助ける効果がありますので、残すようにしましょう。
(3)かん水・追肥
本葉6~7枚頃と雄花が見えてきた頃に、水と肥料を必要とします。
特に、雄花が見えてから収穫直前までは、かん水をやや多めに行いましょう。
この時期に乾燥すると、下葉がしおれ、スイートコーンの先端部分の実入りが悪くなったり、しなびの原因になるので注意しましょう。
追肥も忘れずに行いましょう(表1.施肥例)。
(4)発生しやすい病害虫
アブラムシ類は、はじめは株元に発生するので、本葉6~7枚の頃によく確認し、発生初期の防除を徹底しましょう。
アワノメイガ、オオタバコガは食害によって、商品価値を著しく下げるので、雄花が出た頃に1回目の防除を行い、その後は7~10日おきに防除をします。
農薬の使用にあたってはラベルをよく読み、使用基準を守って飛散防止につとめてください。
手袋やマスク等適切な保護具を使用して散布を行いましょう。
6 収 穫
収穫適期は、雄花の開花最盛期から25日頃、絹糸が褐色になるのが目安ですが、気温により熟期が早まるので、雄花の開花後20日頃からこまめに確認し、適期収穫に努めましょう。
収穫するとすぐに品質低下が始まるので、早朝に収穫して早めに出荷しましょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。