鳥獣害から菜園を守る
鳥獣害から菜園を守る
園芸研究家●成松次郎
サル、シカ、イノシシをはじめ、都市近郊の菜園でも、アライグマやハクビシンの被害が増えています。また、カラス、ハト、ヒヨドリなどの鳥害も日常的に起きています。
[防鳥ネットとテグス]
網目が小さいほど防鳥効果が高く、ヒヨドリでは30mm以下、カラスでは75mm以下を用います。被害を受けやすい野菜にはトンネル状や浮き掛け状に覆うのが効果的です。また、防虫用のネット資材(寒冷紗〈しゃ〉など)を流用するのも有効です。
カラスは翼が障害物に触れるのを嫌うためテグスを縦横に張り巡らします。カラスの翼長(両方の翼を開いたときの長さ)は1m程度になるので、これより狭く張ります。
[べた掛けで種を守る]
豆類などの大きい種はカラスやハトの格好の餌になり、種まき後、本葉が出るまでが被害に遭いやすいので注意が必要です。べた掛け資材は本来の発芽促進、虫害の予防などに加えて防鳥効果も期待できます。
[ネットや柵で目隠しをする]
イノシシには餌になる野菜が見えないようにトタンなどの柵で菜園を目隠しします。高さ1m程度の柵では簡単に跳び越えてしまいますが、柵の前にネットなど足に絡む物を配置して、踏み切り位置を遠くすると良いでしょう。
[電気柵の利用]
電気柵には高電圧の電気が流れ、これに触れた獣類はショックを受けて退散します。ハクビシンは小型のため、電線の下をくぐり抜けないよう、できるだけ低く張ります。電気柵の漏電を防ぐために、除草するなど定期的な管理が大切です。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。