熱中症警戒アラートが本格実施します!
熱中症警戒アラートが本格実施します!
東松山農林振興センター
6月になり、蒸し暑く気温の高い日が続くようになりました。例年、暑さに体が慣れていない梅雨明け直後に、農作業中の熱中症事故が多発しています。
今年は例年より気温が高い傾向になっており、熱中症のリスクも高くなっています。熱中症による死亡者数・救急搬送者数は増加傾向にあり、気候変動等の影響を考慮すると熱中症対策は極めて重要といえます。
そこで、気象庁と環境省は熱中症警戒アラートの試行を去年から開始し、今年4月下旬より全国で本格実施をするようになりました。
熱中症警戒アラートとは
高温注意情報を、熱中症の発生との相関が高い暑さ指数(WBGT)を用いた新たな情報に置き換えたものです。
暑さ指数とは、人間の熱バランスに影響の大きい「気温」・「湿度」・「輻射熱」の3つを取り入れた暑さの厳しさを示す指標です。(図1)
このアラートは、都県内のどこかの地点で暑さ指数が33℃以上になると予測した場合、前日の17時頃及び当日の朝5時ごろに都県単位で発表されます。
これは、報道機関の夜及び朝のニュースの際に報道されることを想定しているためです。
また、「気づき」を促すために、一度発表したアラートはその後の予報で基準を下回っても取り下げることはありません。
アラートが発表されたら
アラート発表後は、日頃から実施している熱中症予防対策を、普段以上に徹底することが重要になります。
●外での運動や活動の中止・延期
不要不急の外出はできるだけ避け、昼夜を問わずエアコンなどを使用しましょう。エアコン等が設置されていない屋内外での運動や活動等は、原則、中止か延期をしてください。
●熱中症のリスクが高い人に声かけ
熱中症患者の約半数は65歳以上の方です。三密(密集、密接、密閉)を避けつつ、周囲の方からも積極的な声かけをしてください。
日頃から、外での作業は出来れば二人以上で行い、互いに声かけをするなどして注意を払います。
これは、熱中症だけでなく農作業安全の観点からも大事なことです。なお、一人で作業する際は家族に場所と終了時刻を伝えておきましょう。
●「熱中症予防行動」を普段以上に実践
環境省、厚生労働省が示している「新しい生活様式」における熱中症予防行動の5つのポイントを心掛けます。
①暑さを避けましょう
暑い日は、作業安全に問題が無ければ、通気性・吸湿性の良い生地で風通しの良い作業服を着るようにします。直射日光のあたる場所ではつばの広い帽子をかぶりましょう。
作業はなるべく朝夕の涼しい時間帯に行い、暑い時間帯に作業をする時は、休憩をこまめにとるようにしましょう。
ハウスや畜舎など気温が上昇しやすい施設内での作業は、換気扇や窓開放によって換気を確保し、風通しを良くして熱がこもらないようにします。
これは感染症予防にもなります。休憩場所も風通しが良い日陰の場所を選びましょう。
②適宜マスクを外しましょう
気温・湿度の高い中でのマスク着用には注意してください。マスクを着用している時は、負荷のかかる作業を避け、周囲の人との距離を十分にとった上で、適宜マスクをはずして休憩をとるようにしましょう。
③こまめに水分補給しましょう
作業前から(朝起きた時から)水分補給をしておき、作業中も定期的に(こまめに)水分補給をします。
人間は多少の水分が失われてもあまり渇きを感じません。渇きを感じる前に、積極的に麦茶やスポーツドリンク等を飲むことが重要です。
④日頃から健康管理をしましょう
日頃からきちんと3食食べるなど、体調を整えておきましょう。体調が悪いと感じた時は、無理をしないことが大切です。風邪や二日酔いなどの体調不良時は、熱中症の危険が高くなります。
⑤暑さに備えた体づくりをしましょう
暑くなり始めの時期から、水分補給しつつ、無理のない範囲で適度な運動をおこないましょう。
「やや暑い環境」で、「ややきつい」と感じる強度で、毎日30分程度おこなうことで身体を慣らすことができます。
熱中症は、適切な予防をすれば防ぐことができます。また、早期に適切な処置をすることで重症化せずに済みます。
環境・からだ・行動の3つの要因が熱中症を引き起こすといわれています。無理をせず、徐々に身体を暑さに慣らせ、日頃から自身の体調に注意して行動するようにしましょう。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。