カブ 適期に間引きを行う
カブ 適期に間引きを行う
園芸研究家●成松次郎
生育適温は15~20度と冷涼な気候に適し、暑さと乾燥に弱いが、寒さには強いという特徴があります。春まき(3~4月)と秋まき(9~10月)が一般的な栽培時期です。
[品種]大きさ、形、色(白、赤)がさまざまですが、小カブ品種では、豊円形で耐病性・耐暑性のある「CRもちばな」(タキイ種苗)、低温期に向く扁(へん)円球で白さび病にも強い「雪牡丹」(武蔵野種苗園)、中大カブ取りもできる「スワン」(タキイ種苗)などがあります。紅カブや上半身が赤く細長い日野菜など地方品種もお薦めです。
[畑の準備]種まき1~2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gをよく混ぜておきます。次に、化成肥料(NPK各成分で10%)150gと堆肥2㎏を全面に散布し、よく耕しておきます(図1)。
[種まき]幅100~120cmの栽培床を作り、深さ1㎝程度のまき溝を20cm間隔で4条作ります。溝に1~2cm間隔で種をまき、薄く土を掛けます(図2)。
[間引き]発芽し、子葉がそろった時点で、まき過ぎて密になっている部分を間引きます。その後も、込み合ってきたら、生育の悪い株を間引きます。最終的な株間は小カブで10~15cm、中大カブで20cm程度にします(図3)。
[追肥・土寄せ]間引き後は株元へ土寄せして、株のぐらつきを防ぎます。中大カブでは、最後の間引き後に1平方m当たり化成肥料30gを株元に与え、土寄せします。
[病害虫防除]アブラムシには、マラソン乳剤など、アオムシ、コナガにはゼンターリ顆粒(かりゅう)水和剤(BT剤)などで防除します。なお、栽培床に寒冷しゃをトンネル状に掛けたり、不織布のべた掛けをすれば、害虫の侵入を防ぎ、風雨から幼苗が守られます。
[収穫]小カブは直径が5cm程度、中大カブは10~15cmが適期で、早く育った株から収穫します。遅くまで置いておくと肥大が進み、す入りや裂根することがあります。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
イラスト:小林裕美子
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。