水稲の適期収穫について
水稲の適期収穫について
今年もいよいよ水稲の収穫時期を迎えようとしています。実り多き秋を迎えられるよう、適期収穫を心掛けましょう。
1 適期刈取り
刈取りの目安は、各ほ場の出穂後の積算気温と帯緑色籾の割合で判断します。
帯緑色籾割合とは、1つの穂の中で、青みがかった籾が残っている割合です。図1を参考にしてください。
適切な積算気温と帯緑色籾割合は、品種や作型ごとに異なります。表1を参考に、自分が栽培している品種に合わせて刈取りを行うようにしましょう。
図1 帯緑色籾
(少しでも緑色によっている部分があれば常緑色籾として数える。)
表1 積算気温と帯緑色籾割合
2 早期落水はしない
早期落水をすると玄米の充実が悪くなり、乳白米等の増加につながります。できるだけ収穫間際まで水を切らさないように心掛けましょう。
3 乾燥調製作業
乾燥調製作業にはJAのカントリーエレベーターやライスセンターを活用します。
自分で乾燥調製作業を行う場合には、玄米の仕上げ水分は14.5~15%を目標とし、過乾燥とならないよう注意しましょう。また、胴割米を発生させる恐れがあるので急激な乾燥は避けましょう。
乾燥終了直後の温度が高い状態で籾摺りを行うと、肌ずれ米が生じ、品質の劣化につながります。乾燥後は十分に籾を冷ますようにしましょう。
4 次年度に向けた準備
収穫を終えたほ場は来年度の稲作に向けて準備をしておきましょう。
残ったひこばえはヒメトビウンカの生息場所となり、イネ縞葉枯病の感染株があると、翌年度のウイルス保毒虫を増加させる恐れがあります。
刈株を土中に埋めるように収穫後はできるだけ早く一番耕を行うようにしましょう。
また、稲わらのすき込みは有機物補給の効果が期待できます。
なお、わらの分解や腐熟を進めるには、土壌改良資材を併用することも効果的です。
【注釈】
掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。
- 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
- 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
- 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。