草花の増やし方

草花の増やし方

これから、草花の種まき時期になります。草花の増やし方について挿し木と合わせて紹介します。

何年も経験されている方もおられると思いますが、一般的・基本的なことがらを整理しました。

1 種まきについて

種が発芽するためには、温度・水・酸素(・光)が必要です。

草花の種類によって、種まきの時期やまき方は異なりますが、必要な条件を十分に与えることがポイントです。

(1)種まきの時期

多くの草花では、発芽に15~25℃を必要とします。このため気温15~25℃前後の春か秋が適期になります。春まき草花は、原産地が熱帯や亜熱帯地域のものが多く、発芽するためには高温を必要とします。

日平均気温が15℃以上になるのは、寄居アメダスデータでは4月27日以降で、それ以前に種まきをする場合には、保温や加温ができる施設が必要です。

(2)種まきの方法

大きな種や移植を嫌うマメ科などの草花の場合、ビニルポットなどに2~3粒ずつ播いて、本葉がそろった時点で元気のよい一本を残して間引きします。小さな種の場合は育苗箱やプラグトレーなどに播いて、本葉4~5枚程度でビニルポットに移植します。

(3)覆土について

大きな種や直播の場合は5~10mm程度、小さな種の場合は、種がやや隠れる程度、光を嫌う草花の場合は、種が見えない程度に覆土します。覆土があまり厚かったり、薄すぎると、発芽が遅れたりそろわなかったりします。

(4)水やりについて

種が発芽するには、十分に吸水することが必要です。吸水して種内に十分な水分を得ることで、芽をだしても生きていける、と草花が感じ取り、発芽するための活動を始めます。発芽するまでは、絶対に種を乾かしてはいけません。

しかし、種が水に長時間浸かっていることもよくありません。発芽には酸素も必要だからです。適度に培土を湿らせておくようにしましょう。

一方、発芽して子葉が開いたら、今度は根をよく張らせるような水管理になります。ある程度土が乾いてから十分かん水します。

水が多く土がいつもジメジメしていると、根張りが悪く、立枯れ病の発生にもつながります。

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         図1 種まきの仕方 「新版草花栽培の基礎」(農文協)より

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表1 種類ごとの発芽適温 「新版草花栽培の基礎」(農文協)より

2 挿し木について

切り取った枝や葉から、根を出させるには、オーキシンというホルモンの働きがありますが、温度、光、水分の調節で挿し穂の力を保つように管理することが必要です。

(1)挿し穂をとる時には、①葉が黄化していない健全な部位を選ぶ②茎が硬化しすぎてない部位をとる。一般的に成長の旺盛なところ③採穂後は茎葉が乾燥しないように注意することが必要です。

(2)挿し穂が乾燥している場合は水揚げを行ないます。長時間水に浸漬すると挿し穂が腐敗しやすくなります。1~5分間水に浸漬したあと、湿った新聞紙などで包んでおくと、1時間程度で水揚げができます。

水揚げの時に、発根剤を添加すると、発根しにくい種類や低温期でも根が出やすくなります。立ち枯れ病予防には、殺菌剤を混合します。

(3)温度は一般に20~25℃で管理します。発根を促進するため、特に地温が下がらないよう、低温期には、朝・夕を避ける等かん水の時間帯にも注意しましょう。

(4)強い光を防ぐため、寒冷紗などで日よけをします。

(5)用土は、排水性・保水性・通気性のよい清潔なものを使います。赤玉土、鹿沼土、ピートモス配合土などを単独または配合して用います。

(6)挿す時は、茎と用土に隙間が空かないように挿します。

(7)挿し木後のかん水は、用土の乾燥程度をみて行います。霧状にして地上部の湿度を保つことも必要です。頻度は、はじめは挿し穂がしおれるので、こまめにかん水するとよいでしょう。日数がすぎ、挿し穂のしおれが少なくなったら、かん水間隔を長くしたり、量を減らすなどで調節します。

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図2 挿し木の仕方
   「新版草花栽培の基礎」(農文協)より

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。