秋冬野菜の栽培

秋冬野菜の栽培

秋冬野菜のは種時期が近くなってきました。ほ場の準備をきちんとして、良品生産に努めましょう。

1 品種を選んで適期作業をしましょう

1つの作物でも、栽培時期によって適する品種が違います。結球不良やとう立ち等を防ぐためには、その時期に適した品種を選び、は種適期を守って栽培しましょう。

2 病害を防ぐためのほ場準備

連作は避けるようにほ場を選びましょう。

水はけが悪いと、初期の生育不良や土壌病害の発生を助長します。あらかじめほ場の外周に溝を切ったり、高畝を作って湿害対策をしておきましょう。
アブラナ科は連作すると土壌病害虫が多発しやすいので注意し、根こぶ病が発生したほ場では、土壌消毒を実施するかアブラナ科の作付けを5~6年避けるようにしましょう。

3 予めの害虫対策

は種前・は種時に粒剤を土壌混和したり、定植時に粒剤を植え穴処理して、すぐに防虫ネットなどの資材を用いて被覆すると害虫の侵入を防ぐのに効果的です。その場合は、間引き菜は食べられないので注意してください。
農薬は、使用したい作物への登録の有無や使用方法を必ず確認して使うようにし、登録失効した農薬は、誤使用を防ぐために回収に出してください。

4 土づくりについて

(1)石灰資材の使用について

石灰資材を上手に使いましょう。石灰の過不足で病気の発生が助長されることがあります。何年も石灰を投入していない畑ではやや酸性の土壌になっていることがあるので、石灰資材を投入しましょう。特に、土壌が酸性にかたよると根こぶ病の発生を助長するため、石灰資材を投入して土壌PHを適正にしましょう。

(2)有機物の施用について

土づくりのためによく熟した有機物を適正に施しておきましょう。たい肥の過剰施用や、未熟な有機物の投入は、病害虫の発生を助長します。
木質たい肥は分解しにくく、未熟な物を大量に投入すると「窒素飢餓」を引き起こしたり、病害虫の発生を助長します。石灰窒素と混合して積み置きし、腐熟を促進してから使うようにしましょう。
牛糞たい肥は肥料成分が比較的少なく、繊維質が多いので土壌の物理性改善に役立ちます。
乾燥鶏糞や発酵鶏糞は大量に施用すると肥焼けをおこします。窒素成分が2.5~6%程度あるので、一度に大量施用することは避け、施用量に応じて肥料の施用量を減らすようにしましょう。

5 栽培管理について

(1) 育苗・定植のポイント

育苗してから定植するほうが生育が安定する野菜は、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイなどがあります。

ア 土詰め

良質な床土を使って均一に詰めるようにします。ハクサイはポットか大きめのセルトレイを選びましょう。

イ は種

表面を平らにならしてから、中心に穴を開け、一粒ずつは種します。

ウ 覆土

育苗培土又はバーミキュライトで、6~7mm程度に均一に覆土します。

エ 育苗中の管理

木材などを下に置いたり、カゴに乗せたりしてポットやトレイを地面から浮かせ、通風を良くします。
かん水は、通常毎朝1回。乾きやすい夏場は適宜かん水しますが、夜間の高湿度で徒長し易いので、夕方には表面が軽く乾く程度の灌水にして徒長を防ぎます。育苗中は寒冷紗や防虫ネットなどの資材で被い、害虫の侵入を防ぎましょう。

オ 追肥

10日程度で肥切れするので、2~3回液肥をかん水時に施用します。

カ 定植

は種後約25日、本葉3枚頃で定植適期となります。老化苗は活着が悪くなるので、適期定植しましょう。定植後はすぐにかん水をし、活着を良くします。

(2) 直播きする野菜のポイント

は種から発芽まではしっかりと灌水して、発芽揃いを確保するようにしましょう。

ア ホウレンソウ

酸性土壌を嫌うので、は種の3週間ほど前に石灰等で酸度矯正をしましょう。
葉菜類は害虫の被害を受けやすいので、は種前に粒剤を使用し、防虫ネットなどで被覆して害虫対策をしましょう。

イ ニンジン

発芽の揃いを良くするために、は種したあとを軽く鎮圧し、発芽までは土壌水分を確保しましょう。
また、根菜類は土壌中に石や未熟な有機物があると根が二股になったり、割れたりするので、よく耕うんしておきましょう。

ウ アブラナ科野菜(キャベツ、ダイコンなど)

本葉がでるまで寒冷紗のトンネルをかぶせて発芽を揃えるようにしましょう。キスジノミハムシの被害を受けやすいので、は種前に粒剤を使用し、防虫ネットなどで被覆して害虫対策をしましょう。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
農薬使用の際は、下記に注意してください。

  • 登録内容に変更がないか、必ず最新情報を確認する。
  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
    また、同一成分を含有する農薬を併用する場合は、成分の総使用回数に従う。