タマネギのまきどきと上手な苗作り

タマネギのまきどきと上手な苗作り

板木技術士事務所●板木利隆

タマネギの上手な苗づくり

タマネギはあまり早くまき過ぎると冬に入る前に大きく育ち過ぎ、低温に感応してとう立ちする場合が多く、失敗しがちです。適正なまきどきは早生種9月上旬、中生種9月15日前後、晩生種9月20日ごろです。

タマネギは土壌の酸性に弱い(最適pHは6.3~7.8)ので、苗床の予定地は早めに石灰を施し、20cmぐらいの深さによく耕しておきます。

苗床は幅80~100cm、高さ15~20cm(低温地では幅を狭く、高さを高くする)とし、あらかじめ化成肥料を全面にまき、深さ15cmぐらいに耕し込んでおきます。

種まきは床面をきれいにならして、3.3平方m当たり40ml内外の種を均一にばらまきます。その上に草木灰を種が見えなくなる程度に掛け、さらにそれが見えなくなる程度にふるいで土を均一に掛け、板切れなどで軽く押し付け、鎮圧します。その後細かく砕いた完熟堆肥、またはもみ殻で土が見えなくなるくらいに覆います。そしてたっぷり灌水(かんすい)し、稲わらで全面を覆い、強い降雨や、強日光による乾燥を防ぎます。

通常6~7日で発芽しますから、全体に発芽し1~2cmに伸びたら、被覆していた稲わらは取り除きます。乾いていたら全面にたっぷりジョウロで灌水し、そろった発芽を促します。

草丈が3~4cmに伸びた頃、密に生えたら間引き、1.5cmぐらいの間隔にします。間引きの後、少量の化成肥料を追肥し、ふるいで土を掛けて土入れします。

苗が7~8cmの丈になった頃、前と同様に第2回の追肥をします。

この頃は秋雨が降り続くことが多く、葉の一部がぼんやりと黄化するべと病が発生しやすいです。この苗床で発生を許すと春先になって本畑で多発しやすいので、早いうちに適応薬剤を、展着剤を加えて散布し、完全に防除しておきます。

11月上~中旬になり苗の大きさが草丈20cm内外、太さが5~6mmぐらいになったら畑に定植します。苗取りは、床が乾いていたら十分灌水し、根をできるだけ切らないよう、大きい株からできるだけそろえて引き抜きます。こうすれば本畑での早い活着は請け合いです。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

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【注釈】

掲載している農薬の使い方(農薬使用基準)は、農林水産省が公開している記事掲載時点での農薬登録情報等と基に作成しました。
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  • 使用の際は、ラベルの注意事項を必ず確認し、適切に使用する。
  • 農薬使用基準は、農薬取締法に基づき、作物ごとに該当する農薬の使用方法、使用時期、回数などについて使用者が守るべき基準です。
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